Cave de Oyaji

 

旅のエピローグ

 

                               ローヌの旅前編

                               ローヌの旅中編

                               ローヌの旅後編

 

右も左もフランスでは分らない親爺一行(夫婦)を暖かく迎えてくれたのはパリ16区ボワロー通りの小さなホテル(ホテル・ボワロー)でした。こぢんまりとした佇まいですが、パリの街に居る事を実感できる場所です。ここにフランス到着の日と帰国の前日ご厄介になりました。部屋は充分のスペースでバス・トイレは広い。豪華な調度品は期待できませんが、二階の窓からパリの生活風景が飛び込んでくる趣です。同宿するのはフランス人のビジネスマンばかり。

 

アヴィニョンの往復はフランス自慢のTGVです。二階建て車両の上が禁煙席で下部は喫煙席。一等と二等席がありますが、皆「二等で充分」と言う。確かになんら不自由ない空間でカフェ車両も連結されています。パリのリヨン駅(南方面行き列車の駅)をTGVで出ると風景は畑ばかりの単調な景色が続くので思わずお茶しにビュッフェ(カフェ車両)に行きました。

 

私の乗った列車は昼時にアヴィニョンに着くのですが、車両室内の乗客は思い思いに食事を採る。サンドウイッチとかカスクート(バケットにサラミとかチーズを挟む奴ですね)なんか食べ散らかしております。ここらへんは我がジャポネは凄いよね。ちゃんと駅弁なんて文化が発達しちょる。ガール・ド・リヨンの構内にシューマイ弁当があれば10ユーロでも買ったでしょうねぇ。この駅の中にはレストランやカフェはあるが立ち食いソバは(もちろん)無いのでお急ぎの方は要注意です。

 

帰国して知り合いの方がTGVでロンドンまで行く、と聞きました。なんだ、南仏に行くより近いんだそうです。でもアヴィニョンまで3時間かからない。旅は快適そのものでした。同じボックスシートに同乗した年配の親父はパリからずっと雑誌のクロスワードなんかやってる。周囲を見渡すと車窓の景色なぞ見てる輩は皆無です。でも日本の新幹線とは違った景色ですから私には新鮮でした。

 

ホテル・ボワロー

パリ・リヨン駅

ビュッフェにて

 

ヌフパプ古城跡

アーモンドの花

   

シャトーヌフ・デュ・パプの街並みは特に印象的でした。ワイン中心の街ですが、歴史も古く、街全体が中心の古城跡に沿って傾斜する地勢でこのテロワールの恵みを享受する農家が繁栄したのはしごく当然です。

 

古城跡は写真の通り外壁のみを残すものであまり歴史の重みを実感させる遺跡でもありませんが、この地は常にミストラル(強風)が吹き抜ける所で、ローヌ河対岸のアヴィニョン市街も見渡せました。

私共が訪れた時期はちょうどアーモンドの木々が花開く時期で、ソメイヨシノに似た可憐な色合いの花を開花させた木々が自生しております。丘の頂上からはこれらの木が多く散見されます。

 

ヌフパプの街からこの古城跡までの路はワイン醸造家巡りでもあります。車に同乗して車窓から見る景色は殆どのヌフパプドメーヌの名前の看板に目を引かれる。この地と紀行文でも述べたキュルソゾン近郊の葡萄畑(ボーカステルなど)や南側のラヤスやカイユーの畑とが重要な地です。

 

親爺は訪れたドメーヌの畑から土壌のサンプルをかっぱらって来ました。(これくらい法には触れないでしょう)大きな石ころはヌフパプ近郊(ジャン・マリー・ロワイエ)小さな粒子はラヤスです!どうですか?同じアペラシオンでもこんなに違うのよ。ワインの違いはこんな土壌の相違からも憶測されるはずですよね。(比較の棒状の異物は紙巻きタバコ)

 

ともかくもお日様がさんさんと照り輝くローヌの風景は実感できました。夏はたいへんに暑いそうですが、それも体験したくなりましたね。

 

忙しかったドメーヌ巡りも一段落して宿舎をケランヌ村からアヴィニョン市に移しました。手配していただいた宿はアヴィニョン法皇庁の真ん前!大きな広場が部屋の窓から見える(と言うかそれしか見えない)場所でした。これがいつ頃建ったか判らないような古い石造りのホテルで、窓の下を観光ツアーの団体が始終往来する。(右の写真で様子が判ります。)

 

アヴィニョン市内に投宿して次の日は(3/6)土曜日です。私も現地の慣習に従って働くのを止めて観光(バカンス)する事にしました。高瀬さんのお誘いもあってデクサン・プロヴァンスの街まで出かけて、南仏旅行の気分を満喫しようと思います。

 

デクサン・プロヴァンス市内はアヴィニョンに比べればずっと洗練された都会を感じました。長期のバカンスで滞在するお金持ち向けの瀟洒なお店が沢山あるし、散歩していてもまるで渋谷の公園通りや原宿界隈を散策しているかの様な気分でした。手頃なカフェでおしゃべりしてもまるで気兼ねの無い時間を体験出来ます。本当は地中海沿岸のカシスに行くつもりでしたが、生憎の雨模様なのでここでショッピング&骨休め。

帰路、折角此処まで来たのだから、とシャトー・ボープレを訪れました。どうしてもワインから離れられない性とでも申しましょうか(^^;

デクサン・プロヴァンスのワインとしては日本でも根強いファンの多いドメーヌですが、シャトーは素晴らしく立派です。爵位を受けている家柄だけに立地条件はローヌの農家とは比べ物にならない(失言)ここのワインはスペシャル・キュベの新樽熟成のカベルネ・シラーより気軽なシラー銘柄が素晴らしい味わい、と感じました。そんな感想は少数派かもしれないが、正直な感想です。ボープレの安いのを扱おうかなぁ。

  

法皇庁        アヴィニョン古橋跡

   

   ホテルの窓から       ホテルの食堂

シャトー・ボープレで

 

 

アヴィニョンのカフェで

ワイン会

ワイン屋前

 

       メトロ入口         モンマルトル

土曜の夜はアヴィニョン市内に戻ってからレストランでディナーと洒落込みましたが、想像を絶する質、量の多さに完全に負けました。レストランのギャルソン氏が「料理を残すのは口にあわないのか?」と尋ねますが、「そんなに食べられないんだよ」と言い訳するのが精一杯。料理は美味しいんですよ。同行した家内は「皿の量を聞けばよかった」なんて言い訳していました。しかも「チーズはどうする?」なんて追い討ちかけられるには閉口しました。現地人はどうしてあんなに食後に奇怪な量のチーズをほうばるんでしょう?

翌日は午後まで本当のフリータイムで、アヴィニョン市内をうろついてお土産漁りやら散策を自由にしてました。午前中は法皇庁くらい観光?と一時間かかる案内用ヘッドフォン(日本語)付きで入場。この日にパリへ帰るので残りの時間は広場のカフェで過ごしました。写真に写るメリーゴーランドのセットってフランスではポピュラーな代物ですね。パリ市内はおろか訪れた至る所に設置されてましたよ。

 

パリを発った時と同じリヨン駅に到着したのは夕刻、この日はローヌへの旅立ちを祝っていただいた石村さん宅でワイン会でした。

そこではパリ在住の日本の方々と貴重なワインを飲み交わしました。私もローヌ土産のワインを出しましたが、今回の旅の手土産として石村さんにお届けした日本産甲州ワインの評価が非常に高かったのが印象的でした。フランス現地でワインに囲まれた生活を送る方々の評価はたいへん高く、持ち込んだ私も面目を保つ事ができたようです。

 

明けて3/8は帰国の日ですが、フライトはなんと夜の11時です。

それでは、とパリを散歩しました。トランクを宿に託してメトロ(地下鉄)を乗り継いでオペラ座やデパート(ラファイエット)、ワイン屋を冷やかして、モンマルトルのチャペルまで行きました。実はパリには新婚旅行で20年以上前に来た思い出がありますが、メトロには緊張して乗車した経験があります。切符を買って乗車すると得体の知れない連中が沢山乗っている。今回も初めはそんな印象で恐々乗車しましたが、一日利用するとパリ市内の移動では本当に便利な交通機関である事を知りました。パリのメトロに比べれば東京の地下鉄は乗りにくい(案内の不備)交通手段でしょう。

 

フランスではワイン屋も数箇所冷やかしてきました。パリのLAVINIAは有名でして、日本人のスタッフ(女性)もいます。凄いコレクションにも圧倒されましたが、なんと言ってもアヴィニョンのワイン屋の親父とは意気投合しました。カウンターで「デクサン地区で面白いドメーヌがある」とワインをすぐさま抜栓したりする強烈親父。ローヌのワイン屋なのにロワールの赤を並べたりする姿勢は共感できますよ!

 

今回の旅は多くの友人達に身を委ねる旅でした。その結果はしごく快適で素晴らしい風景と体験を同時に味わう事が出来た貴重なものです。思わず感謝の念を禁じえません。一介の酒屋風情が生来のワイン堅気を貫いて知り合いを頼ってフランスを旅する図式は彼ら無くしては有り得ない話でした。拙い(本当に拙い)紀行文の末尾に道中での無礼を詫びる他ありません。ありがとうございました。でも、、、またご厄介になりそうですがね(笑)

3/28紀行文了

 

 

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